「使える腹筋」は日常の意識から

体をあまり動かさなくても便利に生活できるようになった昨今、おなかの筋肉を上手に使いこなせていない人が増えていると言われています。例えば、横になった状態から手を使わずに上半身を起こす、というような動作ができないというのが、その典型です。

 

私たちの腹部には、薄い筋肉が重なり合っていいます。このうち、体を前後に曲げる時は腹直筋、上半身を左右にねじれば内腹斜筋、外腹斜筋が伸び縮みします。こうした筋肉の使い分けができないと、生活にも支障が出かねません。「ロコモ」への近道にもなります。

 

腹筋は人間が生活する上の基本だとされます。立つ姿勢を作っているのも背筋と腹筋のバランスです。また、腹筋が十分に機能していないと内臓を支えることができず、腸などが圧迫されます。

 

運動嫌いで車にばかり頼ったり、パソコンの前でねこ背になる時間が長かったりする人は、腹筋が弱くなりがちです。お腹が出ている人も、前かがみの姿勢になるため、腹筋がゆるみやすい傾向があるといいます。

 

とりわけ大事なのは、腹筋の中でも体の深い部分にある「インナーマッスル」です。体を支える筋肉であるインナーマッスルは、本来誰にでもある程度は備わっているものです。そもそもインナーマッスルがなければ立ち続けることもできません。問題は「十分に使いこなせていない」ことです。

 

インナーマッスルを鍛え、使いこなせるようになれば、それまでふだん「OFF」の状態になっていたインナーマッスルが「ON」の状態になります。その結果、日常生活でもインナーマッスルがフル稼働状態になります。まずは、インナーマッスルをしっかりと意識することから始めましょう。